推奨- 成人発症MGの長期完全寛解は得難い(推奨提示 1C ). 治療が多くの場合, 生涯にわたることを意識し, health-related quality of life(QOL)やメンタルヘルスを良好に保つように治療戦略を立てる(推奨提示 1C ).
- MG治療における最初の治療目標は, 「経口プレドニゾロン5mg/日以下でminimal manifestationsレベル(MM-5mg)」であり, これを早期達成するよう治療戦略を考える(推奨提示 1C ).
- MM-5mgは免疫治療開始から約5年間その達成が増加するが, 以後, ほとんど増加しないため, なるべく早期の達成を目指す(推奨提示 1C ).
- 経口ステロイドの最高用量や中等量以上の投与期間はMM-5mg達成に関連しない.
- 早期速効性治療戦略(early fast-acting treatment strategy:EFT)はMM-5mgの早期達成に有効である
(推奨提示 1B ). - 漸増漸減による高用量経口ステロイド療法は様々な副作用やQOL阻害につながりやすく, かつ, 完全寛解や早期MM-5mgに関連しないため推奨されない(推奨提示 1B ).
- 難治性MGとは, 「複数の経口免疫治療薬による治療」あるいは「経口免疫治療薬と繰り返す非経口速効性治療を併用する治療」を一定期間行っても, 「十分な改善が得られない」あるいは「副作用や負担のため十分な治療の継続が困難である」場合である.
- 全身型MGの治療ではあくまで免疫療法が中心であるが, 抗コリンエステラーゼ薬は補助的薬剤として有効である(推奨提示 1C ).
(推奨提示 1B ).