gMGの課題


患者・医師ともに現在の全身型重症筋無力症(gMG)の治療管理に懸念があることが報告されました1)

近年報告された調査において、84%のgMG患者さんとすべての医師が長期にわたる免疫抑制療法への懸念を持っていることが示されました。

一方で、多くの患者さんと医師は、免疫抑制薬を減量することに伴う潜在的な可能性ー症状の再発、入院の可能性、将来の健康への不安など―への懸念も持っていることが示されました1)

*本調査は査読を経て公開された結果であり、調査対象はgMG患者283例と医師45例でした。調査目的は、gMG治療における免疫抑制療法の長期使用及び減量に対する患者と医師の見解を明確にし、ランダム化臨床試験の試験デザイン設計に役立てることでした。

 

gMGは患者さんの身体的・精神的な健康状態に影響を及ぼすことがあります2,3)

gMG患者さんは、症状のコントロールが不十分であり、日常生活動作に支障が出ることが少なからずあることが報告されています2)

患者の20%で、致死的な呼吸不全を伴う15~20%の患者さんがクリーゼを経験します4,5)

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患者は容姿の変化(体重増加、浮腫、ざ瘡)を避けるため、治療を拒否、または、服薬を中止することがあります6,7)

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長期にわたる治療のリスクとして肝・腎毒性、白血球減少症、悪性腫瘍及び感染症が挙げられます7-10)

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症状により社会生活が困難となり、不安や孤独をより強く感じてしまうことがあります2,6,11)

gMGの症状及び治療の疾病負荷に関する海外の調査において、以下の結果が報告されています

現在のgMG治療によって症状がコントロールできていると回答した患者12)

22%

gMGの症状のために自身の趣味をあきらめていると回答した患者12)

87%

休職や休学を経験していると回答した患者12)

63%

gMGと診断されていると自己申告した米国成人150例に対するオンラインの横断的調査の結果です。gMGの診断プロセス、疾病負荷、及び治療の負荷について調査が行われました。

1) Hehir MK, et al.: Muscle Nerve. 2020; 61(6): 767-772.

2) Twork S, et al.: Health Qual Life Outcomes. 2010; 8: 129.

3) Boldingh MI, et al.: Health Qual Life Outcomes. 2015; 13: 115.

4) Grob D, et al.: Muscle Nerve. 2008; 37(2): 141-149.

5) Wendell LC, et al.: Neurohospitalist. 2011; 1(1): 16-22.

6) Howard JF. Myasthenia Gravis: A Manual for the Health Care Provider. Myasthenia Gravis Foundation of America; 2009.

7) Liu D, et al.: Allergy Asthma Clin Immunol. 2013; 9(1): 30.

8) Gotterer L, et al.: J Neurol Sci. 2016; 369: 294-302.

9) Guo Y, et al.: Front Immunol. 2018; 9: 1299.

10) Gilhus NE, et al.: Nat Rev Dis Primers. 2019; 5(1): 30.

11) Suzuki Y, et al.: BMJ Open. 2011; 1(2): e000313.

12) Muley S, et al.: Poster presented at: Annual Carrell-Krusen Neuromuscular Symposium; February 18-19, 2021.