臨床成績 - 国際共同第Ⅲ相継続投与試験(ARGX-113-1705試験)(ARGX-113-1704試験の継続投与試験)

試験概要・患者背景


試験概要

⽬的

gMG患者を対象にウィフガート®の長期投与時の安全性及び忍容性を評価する

 

デザイン

国際共同第Ⅲ相試験(ARGX-113-1704)の継続投与試験、⻑期、単群、⾮盲検、多施設共同(欧州、⽶国、カナダ、ロシ

ア、⽇本)

 

対象

ARGX-113-1704に参加し、継続投与試験に移⾏したgMG患者139例(⽇本⼈10例)

 

主な選択基準

  • ARGX-113-1704試験に参加した患者で本試験に移⾏するための適格性基準に合致していること:

−ARGX-113-1704の試験終了時であるDay 182まで試験を継続した患者

−ARGX-113-1704で次のサイクルを開始する基準に合致したが、同試験の期間中に治療サイクルを完了できない患者は、直ちに本試験に移行してウィフガートによる治療を受けられることとした。

−ARGX-113-1704期間中に、妊娠、レスキュー療法、又は重篤な有害事象以外の理由で割り付けられた治療を早期中止した患者は、本試験に移行できることとした。

−ARGX-113-1704で割り付けられた治療を一時中断した患者には、本試験に移行できることとした。

  • 試験参加前にベースライン治療※を⼀定の⽤量で継続している患者

※:ベースライン治療はコリンエステラーゼ阻害薬、経⼝副腎⽪質ステロイド及び/⼜は⾮ステロイド性免疫抑制剤(アザチオプリン*、メトトレキサート*

、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル*及びシクロホスファミド*)に限る。

MGの治療に対し、本邦未承認である。

 

投与⽅法

  • 本試験はパートA(1年間)とパートB(最長2年)の連続する2パートで構成された。パートBは、患者がウィフガートの投与を継続的に受けられるように追加されたパートである。
  • 治験薬投与期の3週間後に4週間間隔で来院し観察を行うこと(サイクル間観察期)を1サイクルとし、次のサイクルはサイクル間観察期において基準※1に合致した場合に開始することが可能とされた。
  •  治験薬投与期にコリンエステラーゼ阻害薬、経口副腎皮質ステロイド及び/又は非ステロイド性免疫抑制剤※2投与下で、ウィフガート10mg/kgを1週間間隔※3で計4回1時間かけて静脈内投与した。

※1:次のサイクル投与は、臨床症状として以下の基準のいずれも合致した場合に、開始することとされた。
・MG-ADL総スコアが合計5点以上であり、眼症状以外の項⽬でのスコアが50%を超えている患者

・MG-ADL総スコアが先⾏のサイクル投与のベースラインに対して2点以上の減少が認められない患者

※2:アザチオプリン*、メトトレキサート*、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル*及びシクロホスファミド*

MGの治療に対し、本邦未承認である。

※3:1週間間隔の治験薬投与において、来院の許容期間は±1⽇と設定された。

 

評価項⽬

【主要評価項目】

抗AChR抗体陽性患者を対象に全試験期間にわたる有害事象、重篤な有害事象の発現割合及び重症度、バイタルサイン、⼼電

図検査、臨床検査評価(パートA及びパートB)

 

【副次評価項⽬】

全体集団(抗AChR抗体陽性及び陰性患者)を対象に全試験期間にわたる有害事象、重篤な有害事象の発現割合及び重症度、

バイタルサイン、⼼電図検査、臨床検査評価(パートA及びパートB)

 

【探索的評価項⽬】

  • 各サイクルのベースライン(治験薬初回投与⽇)値と⽐較したMG-ADL総スコアの変化量(パートAのみ)[抗AChR抗体
    陽性患者、全体集団(抗AChR抗体陽性及び陰性患者)]
  • 各サイクルのベースライン値と⽐較したQMG総スコアの変化量(パートAのみ)[抗AChR抗体陽性患者、全体集団(抗
    AChR抗体陽性及び陰性患者)]

 

【その他の評価項⽬】(中間解析1でのみで評価)

薬⼒学、免疫原性

 

解析⽅法

主要評価項目及び副次評価項目は、安全性解析対象集団を対象に記述統計量により要約した。すべての二値変数については、サイクル別及び全期間で頻度表を作成した。連続データは、絶対値及びベースラインからの変化量について要約統計量を示した。

探索的評価項目についても記述統計量により要約した。連続データについては、絶対値、ベースラインからの変化量、又はサイクルベースラインからの変化量について要約統計量を示した。中間解析のデータカットオフは1回目を2020年4月6日、2回目を2020年10月8日とした。

 

患者背景

本試験では、先行試験でウィフガートを投与された患者をウィフガート-ウィフガート群と表示し、先行試験でプラセボを投与された患者をプラセボ-ウィフガート群と表示しました。両群を合わせて、全体集団と表示しました。

先行する二重盲検試験に組み入れられた167例のうち、2020年10月時点で151例が本試験に移行し、139例がウィフガートの投与を受けました。このうちウィフガート-ウィフガート群が73例、プラセボ-ウィフガート群は66例でした。139例の全体集団のうち、106例は抗AChR抗体陽性、33例は抗AChR抗体陰性でした。

 

サイクル間隔(2020年10月 8日データカットオフ時点)

ウィフガート最終投与時から次のサイクル投与開始時までの期間(サイクル間隔)の中央値(各サイクルの中央値の範囲)は約4.1~6.1週間でした。


社内資料:第Ⅲ相試験(ARGX-113-1705試験)(承認時評価資料)(CTD 2.7.6.5)(EFG90009)