ヒフデュラの投与方法

⽤法及び⽤量

通常、成人には本剤1回5.6mL(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を1週間間隔で4回皮下投与する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。

⽤法及び⽤量に関連する注意

7.1 次サイクル投与の必要性は、臨床症状等に基づき、判断すること。[17.1.1、17.1.2参照]

7.2 本剤を投与する場合に、何らかの理由により投与が遅れた際には、あらかじめ定めた投与日から3日以内であればその時点で投与を行い、その後はあらかじめ定めた日に投与すること。あらかじめ定めた投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた日に投与すること。

薬剤投与前の注意

  •  本剤は2~8°Cで保存してください。持ち運びの際にも適正温度を保ってください。
  •  投与前にバイアルを冷蔵庫から取り出し、室温(30°C以下)に戻してください。(使用期限、外観の異常確認) 
  •  誤って、室温(30°C以下)で48時間以上、又は30°C超で放置してしまった場合は、使用を避けてください。 
ヒフデュラ配合皮下注バイアル、バイアルアダプタ、注射筒、注射針をご用意ください。 ヒフデュラ配合皮下注バイアル、バイアルアダプタ、注射筒、注射針をご用意ください。 ヒフデュラ配合皮下注バイアル、バイアルアダプタ、注射筒、注射針をご用意ください。

□必要に応じて、アルコール綿、脱脂綿、テープ絆創膏など
※実際に渡される注射針はここに示したものと 形状が異なる場合があります。

薬剤投与時の注意

  •  本剤5.6mLを通常、30~90秒かけて投与してください。
  •  注射部位は腹部又は大腿部とし、皮膚に異常のある部位(発赤、傷、硬結、瘢痕等)は避けてください。
  •  他の薬剤と混合しないでください。
  •  本剤は防腐剤を添加しておりません。シリンジに移し替えた後は速やかに使用し、残液は廃棄してください。 

注射手技

①バイアル内の薬液を、バイアルアダプタ又は注射針を用いて注射筒に6.0mL程度移します。(薬液吸引前の空気の注入は不要です。)

②注射筒内に気泡がないか確認します。気泡がある場合、注射筒を指で軽くたたいてできるだけ気泡を上部に移動させ、プランジャーをゆっくり押して気泡を注射筒からバイアルに押し出します。

③注射筒内に異物がないことを確認後、注射針の結合部を注射筒の先端に取りつけます。ゆっくりとプランジャーを押して、気泡を注射針の針先から押し出し、針の先端まで薬液を移動させます。次に、5.6mLに一致するまでプランジャーを押し進めます。

④注射部位(腹部又は大腿部)の皮膚を優しくつまみ、皮膚の「テント」を作ります。皮膚の「テント」の真ん中に針穴を上にして針を45度~90度の角度で優しく刺します。
※5/8インチ(16mm)の注射針を使用の場合。(使用する注射針により刺す角度・深さを調整してください。)

⑤プランジャーを一定の力でゆっくりと押して注射筒内の薬液を通常、30~90秒かけて皮下に全量注入します。

⑥薬液を全量注入したことを確認後、注射針を抜き、アルコール綿をあてて止血します。

各サイクルの初回投与から次治療サイクル開始までの期間(サイクル期間)


ARGX-113-2002試験/ADAPT-SC+試験(国際共同第Ⅲ相継続投与試験)において、各サイクルの初回投与から次治療サイクル開始までの期間の中央値は、以下の通り50.0~57.0日であった。(中間解析2:2022年12月1日データカットオフ時点)

次のサイクル投与開始までは、各サイクルの最終投与から28日以上とし、治験担当医師の判断により臨床効果の持続期間に基づいて継続する。期限は設けない。

【電子添文(抜粋)】

6. 用法及び用量

通常、成人には本剤1回5.6mL(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を1週間間隔で4回皮下投与する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 次サイクル投与の必要性は、臨床症状等に基づき、判断すること。[17.1.1、17.1.2参照]

7.2 本剤を投与する場合に、何らかの理由により投与が遅れた際には、あらかじめ定めた投与日から3日以内であればその時点で投与を行い、その後はあらかじめ定めた日に投与すること。あらかじめ定めた投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた日に投与すること。

社内資料:効果の持続、耐薬性(2024年1月承認、CTD2.7.3.5)[EFG90078]

自己投与の指導・トレーニング・フォローについて

  • 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施してください。
  • また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行ってください。
  • 使用済みの注射針及び注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行ってください。

患者向け資材などを用いて、疾患や治療についての患者教育と自己投与の方法についての指導を実施してください。

「自己注射ガイドブック」、「自己注射ガイドビデオ」などの患者向け資材を用いて自己投与の説明を実施してください。

  • 主治医又は看護師が、投与前の準備から、使用済みの注射器や針の安全な廃棄方法に至るまでの一連の手順について、手本を示しながら投与してください。
  • 注意すべき副作用について説明し、副作用の発現が疑われる場合は医療機関に連絡するよう、適切な対処法を指導してください。
  • 「 自己注射確認チェックシート」を用いて手順を確認し、注射部位の記入と管理について、指導してください。
  • 患者さんやご家族に自己投与を実践していただき、問題ないか確認してください。
  • 確実に自己投与できることを確認し、実践可能と判断できるまでトレーニングを継続してください。
  • 在宅自己投与の開始後、副作用が疑われる症状があらわれた場合には、ただちに主治医へ相談または受診するよう、指導してください。
  • 自己投与を開始した後でも、外来投与に切り替える場合があることを患者さんに説明してください。
    • 主治医が外来治療のほうがよいと判断した場合
    • 患者さんが外来治療への変更を希望し、主治医が認めた場合
    • 患者さんやご家族によって適切に自己投与できない場合    

自己投与の方法

注射の準備(注射筒への充填)

①バイアルのキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿で消毒し、自然に乾燥させます。

②バイアルアダプタをバイアルに取りつけます。

バイアルのゴム栓にまっすぐに刺してください。斜めに刺すと針で削り取られたゴム片が薬液に混入することがあります。

③バイアルアダプタに注射筒を取りつけます(時計回り)。

④バイアルを上に注射筒を下にし、プランジャーをゆっくり下に引き、薬液の全量を注射筒に移します。

・ヒフデュラ®配合皮下注専用ツートックはエアフィルタ付きです。薬液吸引前の空気の注入は不要です。
・気泡や泡立ちを防ぐために、プランジャーはゆっくり引いてください。

⑤注射筒内に大きな気泡がないことを確認します(多少、小さな気泡が残っていても問題ありません)。

大きな気泡がある場合、注射筒を指で軽くたたいてできるだけ気泡を上部に移動させ、プランジャーをゆっくり押して気泡を注射筒からバイアルに押し出してください。

⑥6.0mL(注射筒の目盛り)程度になるまでプランジャーを押し進めます。

6.0mLより少なくならないように注意してください。

⑦注射筒を上にして、バイアルアダプタから取りはずします(反時計回り)。

⑧バイアルアダプタとバイアルはそのまま廃棄ボックスなどに廃棄します。

⑨注射筒内に異物がないことを確認後、注射針を注射筒の先端に取りつけます。

注射筒内に異物がある場合は、速やかに医療機関に連絡してください。

⑩ゆっくりとプランジャーを押して、気泡を注射針の針先から押し出し、針の先端まで薬液を移動させます。次に、プランジャー上部のゴム製リングの端が、5.6mL(注射筒の目盛り)に一致するまでプランジャーを押し進めます。

注射筒の目盛りを厳密に5.6mLに一致させる必要はありませんが、5.6mLより少なくならないように注意してください。

⑪注射の準備ができました。

この状態で長時間放置せず、速やかに注射操作に進んでください。

注射の仕方

①注射部位をアルコール綿で消毒し、自然に乾燥させます。

消毒した部位には注射するまで触れないでください。

②針カバーをゆっくりと引っ張ってはずします。

針カバーをひねらないでください。

③利き手と反対の手で注射部位の皮膚を優しくつまみ、皮膚の「テント」を作ります。

  • 皮膚の中に針が入る十分なスペースができるように「テント」を作ってください。

④利き手で注射筒をもち、皮膚の「テント」の真ん中に注射針を45度~90度の角度で優しく刺します。

※使用する注射針により刺す角度・深さが変わるため、医療機関での指導に従うようにしてください。

  • 皮膚をつまむ方向と針を刺す方向を直線上にすると刺しやすいです。

⑤利き手でプランジャーを一定の力でゆっくり押し、通常、30~90秒かけて薬液を全量注入します。

時間をかけて注入することで、痛みが軽減されることもあります。

⑥薬液を全量注入したことを確認後、皮膚をつまんでいた手をはなし、注射針を刺した角度と同じ角度で抜きます。

出血がある場合は、出血が止まるまでアルコール綿、ガーゼなどで軽く押さえてください。
注射部位に絆創膏を貼ってください。

⑦注射針と注射筒はそのまま廃棄ボックスなどに廃棄します。

補足事項:その他の注射筒の持ち方

注射針を刺す際の注射筒の持ち方、プランジャーの押し方、注射針を抜く際の注射筒の持ち方には、こちらの方法もあります。

詳しくは、医療機関でのトレーニング時に確認してください。

自己注射方法の動画

【再生時間】6分29秒

JP-VJMG-24-00476(2024年9月作成)