CIDPの治療実態

日本の全国疫学調査(2021年)1)

CIDP患者の78%は、進行性又は再発寛解型の経過をたどり、最初の治療から1年後も55%の患者が治療を続けていました。

日本におけるCIDPの疫学

  • CIDP推定患者数は約4,180名​
    有病率    3.3:10万人​
    発症率  0.36:10万人​
  • ​平均発症年齢は52歳(0-90歳)
  • ​男女比は1.5:1
患者の臨床状態

各治療に対する反応率は、IVIgで83%、副腎皮質ステロイド薬で80%、血漿交換療法で69%と報告されました。 

治療に対する反応率(ONLSが1以上低下)

* ONLS:overall neuropathy limitation scale 

目的:日本のCIDPの疫学、臨床像、治療の現状を明らかにすること
対象:日本全国の脳神経内科及び小児脳神経内科4,966科に調査票を送付し、回答が得られた1,919科
方法:各診療科に調査票を送付し、一次調査票を用いて患者数と有病率を推計し、二次調査票を用いて詳細な臨床情報を収集した​

全国CIDPサポートグループ調査(2018年)2)

CIDPの患者会「全国CIDPサポートグループ」の報告では、CIDP患者さんの24%が何らかの形で入院を必要としており、31%がCIDPによる離職を経験したことがあると回答しました。

最近6ヶ月の受療状況と病気(CIDP等)による離職経験

目的:CIDPとその周辺疾患の患者の実態を把握し、患者の療養生活の向上並びに医療や福祉の発展を図る​
対象:CIDPの患者会「全国CIDPサポートグループ」に会員登録していた患者384名と、会員外で調査への参加を希望したCIDPとその周辺疾患の患者若干名のうち、回答のあった200名​
方法:患者本人又は患者の様子をよく把握している家族・保護者に無記名のアンケートを郵送し、回答を回収・集計した

1)Aotsuka Y, et al.: Neurology. 2024; 102(6), e209130.(PMID:38408295)​
2)全国CIDPサポートグループ: 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)およびその周辺疾患の患者実態調査報告書. p.39, 92, 2018.

JP-VDJCIDP-24-00062(2024年12月作成)